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平成26年度シンポジウム

ここまで進んだ! 飛躍する農学

 

日時
平成26 年10月 4 日(土)午前10 時より(午前9 時30 分開場)
会場
東京大学弥生講堂・一条ホール
主な対象
一般、学生、院生、若手研究者
講演要旨
別売(500円/1部)
ポスターイメージ
内容
農学の研究領域は、農林水産業や生態系保全、人の健康など広範囲におよび、我々の生活や社会と密接な関係をもつ。そのため、人のライフスタイルや社会環境、自然環境の変化に応じ、農学研究も必然的に変化する。  近年、日本の農林水産業においては、就業人口の減少傾向に歯止めがかからず、担い手の不足が深刻化している。また世界的には、人口増加、食生活の変化、気候変動や環境劣化による食料生産性の低下等により引き起こされる食料の慢性的な不足が、食料安全保障に脅威を与えている。その一方で、健康志向や安全志向の高まりから、食品の機能や品質に対する関心がかつてないほど高まっている。このような状況下で農学は、食料生産における高い効率性・省力性、低環境負荷、気候変動への対応等を模索し、また、健康や安全を求める人のニーズに合うような農林水産物やその加工品の生産・供給を目指している。  農学が応えようとする社会からの要請はますます多様化しており、農学はその役割を柔軟に変化させ、研究対象を拡大している。これまで培ってきたノウハウに、時には周辺分野からもたらされた最新技術を融合させ、農学は今や、大量の情報を処理し、遺伝子改変を行い、あるいは新素材を開発することによって、地域の環境や作物の生育状況を正確・詳細に把握し、有用な作物や家畜を育種し、また新たな製品を生み出すに至っている。  本シンポジウムでは、今日の農学がどのような新技術を開発・導入し、それをどのように利用し、どのような問題を解決しようとしているのかを、具体的な研究事例とともに紹介し、またその延長として農学が描く食料生産や人の生活の未来像を提示したい。
講演題目
「透明で電気まで流れる紙―セルロースナノファイバーと銀ナノワイヤが「紙」の常識を変える ―」 大阪大学・産研 
能木 雅也
「光の指紋で食品の安全を守る! ― ビッグデータの可視化による農産物・食品の危害要因検知 ―」 農研機構・食総研
杉山 純一
「北海道発の気候変動適応策 ― 雪割り、野良イモ対策、土壌凍結深制御 ― 」 農研機構・北農研
広田 知良
「微生物ゲノム情報を圃場で活かす ― 作物根圏からの温室効果ガス発生を制御するために ―」 東北大学・院生命科学
南澤 究
「 家畜のゲノム編集 ― 地球と共生する食料や医薬品の生産系をめざして ―」 麻布大学・獣医
柏崎 直巳
「ビッグデータの情報解析が開く育種の地平線 ― ゲノムと表現型の関連をモデル化し、育種を加速する ―」 東京大学・院農 
岩田 洋佳
「スマート農業とフェノミクス ― 農業・生物・環境の途方もない複雑性をビッグデータで読み解く ―」 農研機構・北農研
平藤 雅之